行進曲「海を越えた握手」
 1899年4月21日、スーザ・バンドがこのマーチを初演した時には、大勢の観客が足を踏みならして興奮し、バンドはこの曲を3回も繰り返して演奏しなくてはならなかったというエピソードが残っている。
 このマーチは、アメリカがフィリピンの独立を助けてスペインと戦った時、マニラ湾のアメリカ海軍のデューイ提督に、イギリスのチチェスター艦長が救いの手を差し伸べた、その友情を讚えて作曲されたものだという説がある。しかし、実際には楽譜の表紙に印刷されているある戯曲の言葉「ある考えがわたしの心にひらめいた……永遠の友情を約束しよう」という言葉にインスピレーションを得たというのが真実のようである。
 現在、この曲はそのタイトルから国際親善の場で演奏される機会が多い。かつて、昭和天皇がアメリカを訪問されられた時も、ワシントンの閲兵に際してこの曲が演奏されている。