〜定 植〜
1.定 植
さて、いよいよ定植です。
この作業自体は、トマトの苗をポットからベッドに移植するだけのことです。
定植前には、普段よりもたっぷりと潅水・追肥をしてあげます。(コレをお弁当と言います。)さっさと定植作業ができれば良いのですが、手間のかかる作業のため、次回の潅水までに時間が空きすぎるとしおれてしまう恐れがあるからです。また、できれば病気予防のための防除(ウチでは木酢・核酸・酵素等を使っています)をしておくと良いでしょう。

定植の方法は様々ですが、ウチの場合……
ベッドに開いた穴の中を浅く手で掘って苗を移植し、周りの土と軽く密着させます。その際、深く埋めすぎず、少し根が地表に出る程度にしておきます。これは、根元から病原菌が入るのを防ぐ目的でそうしています。現に、この方法にしてから潰瘍病にかかったコトはありません。
その後、苗をヒモで上から軽く吊って、定植作業は完了です。

ヒモで吊っています。花の3段くらい下で軽く縛って、やさしく巻き付けます。
ベッドの上に少し盛り上がってる感じで移植します。
2.定植後の作業・管理
定植直後のトマトは、水分不足のためちょっとしおれているコトが多いです。その場合は、潅水パイプでの通常の潅水の他に、個別に動噴などで潅水してやる必要があります。
温度管理は、引き続き重要です。本などを見ると、低目の温度が書いてありますが、ウチでは夜間温度を定植直後は20℃に設定しています。その後徐々に下げていきますが、最低でも15℃、できれば18℃で留めるよう心がけています。暖房費もバカになりませんが、ここでケチると収穫時の品質に響いてしまうので、多少無理をしても温度だけは下げないようにしています。
また、日中も温度を上げすぎないように換気を小まめに行ないます。たとえ気温が低くても、湿度が高ければ換気をします。病気予防には、むしろジメジメした湿気の方が大敵ですから……。
3.着果促進
花が咲いたら、花を受粉させなくてはいけません。
方法としては、まずホルモン剤を使う方法と、マルハナバチを使う方法とがあります。労働時間が減らせるし、自然に受粉できるのでハチを使う方法のが良いのでしょうが、害虫の防除に制限が出てくる上に、このハチは外来種のため生態系への影響も懸念されます。ハチを使う場合は、必ずネット等を張って施設外に飛散しないよう配慮する必要があります。
マルハナバチと巣箱
←定植して2週間、実も大きくなってきました。