リードは、この詩から“若さあふれる快活さ”と“やさしい恋の甘さ”を音楽として表現したという。
6/8拍子を中心とした軽やかな明るいリズムと、中間部の4/4拍子の甘いメロディ。春という季節の若々しい恋を美しく爽やかに描いていると言っていいだろう。
なお、この曲は作曲を依嘱したカナダのオンタリオ州ウィンザーのジョン・L・フォスター中学校とその指揮者G.A.N.ブラウン氏に献呈され、同校のシンフォニックバンドと作曲者自身の指揮によって初演されたという。けっこう難しい曲なのに、中学校バンドの為に書かれたというのは驚きだね。
作曲者のアルフレッド・リードは、1921年生まれのアメリカの作曲家。現在は洗足学園大学など日本の学校や吹奏楽団での活動も多くされている人で、自分も普門館で奥様とご一緒のところをお逢いしたことがあったり……。非常に数多くの吹奏楽曲を作曲しているが、有名なものとしては「ハムレット」「オセロ」等シェイクスピアの作品を題材とした曲や、「パンチネロ」「春のよろこび」といった中学生でも演奏できそうな序曲、その他交響曲や組曲、ポップスのアレンジ等も多く手がけている。